2022年11月29日の日記

「おや、お客さんとは珍しい」と言ってみたい。でも、このセリフが自然と口から出てくるには、まだ時間がかかりそうだ。

 

まず、「おや」の時点でハードルが高い。「おや」を日常的に使うのが許されるのは、おじいさんか、森に住む青年か、クラスの委員長だ。

「おや」が似合う彼らは、欲が無さそうに見えるという共通点を持っている。逆に言うと、食欲や性欲にまみれた人間が「おや」とは言わないし、「おや」が似合わない。「おや」が似合う人間というのは、色欲に翻弄されず、食も最低限の穀物と野菜スープしか食べて無さそうな人間だと思う。

 

さらに言うと、「おや、お客さんとは珍しい」と言うだけでは物足りない。できることなら、細身の青年となり、右手にランタンを持ち、左手には本を抱え、森の奥の小屋に住みたい。そして、小屋を訪ねてきた旅人に向かって「おや、お客さんとは珍しい」と言いたい。続けて「狭いところですが、どうぞお入りください」と言い、「どこからいらしたのですか?」と言いながらドアを閉めたい。都会では人を信じられないからこそ、見ず知らずの人を進んで家に上げるという、不安を感じるほどの不用心さにあこがれる。

 

森の奥の小屋に住むのなら、糸目キャラになりたい。糸目でおっとりとした見た目で、柔らかい声で旅人をもてなしたい。旅人が「森の小屋」に到達するまでのルートで殺人を犯し「殺戮ルート」に入っている場合には、僕の肩にとまったカラスが騒ぎ出し、「どうしたんだいクロちゃん……うん……うん、そうか。…………本当に珍しいお客さんだ」と言いながら目を開きたい。そして「悪いことは言わない。早く去りなさい。」と続けたい。

それでも僕を攻撃した場合、ただの村人と同じくらい簡単に倒せるんだけど、僕を殺すと「森の精」が怒り、森の中のモンスターに「狂暴化」ステータスが付与されてほしい。

 

僕の住む森で流れているBGMはファンの中で人気になってほしいし、夜はまた別のBGMが用意されていてほしい。

ラスボス撃破後の平和になった世界で、夜に僕に話しかけた場合に発生するイベントも作ってほしい。感動する名作シナリオであってほしい。

 

しかし、あくまでも謎多き青年でありたい。なぜ人里離れた森に住んでいるのか、なぜ森の精霊の寵愛を受けているのか、クロちゃんがカラスにしては知能が高すぎるのはなぜか、なぜ高レベルのモンスターが出る森で生きていられるのか。そういう部分にはあえて明確な答えを提示せず、いろんな考察が飛び交って欲しい。このゲームはその後続編も出るし、アニメ化とノベライズとコミカライズも果たすんだけど、そのどこでも僕の過去については触れないでほしい。

 

 

以上が私の将来の夢です。この夢を達成するには乗り越えなければならない困難もたくさんあると思います。しかし、どのような困難が立ちはだかったとしても、最後まで自分の夢を諦めず、努力を続けたいと思っています。